「えひめAI」は、納豆菌・乳酸菌・酵母菌などの身近な微生物を組み合わせて培養した、環境浄化や土づくりに役立つ手づくり微生物液です。元々は愛媛県産業技術研究所などが研究・普及してきたもので、現在は自治体、農家、家庭菜園愛好家まで幅広く活用されています。この記事では、えひめAI・えひめAI-2を家庭で安全かつ簡単に作る方法と、上手に使うためのポイント、応用例を詳しく解説します。
えひめAIとは何か?基本をやさしく解説
えひめAIの正体は「善玉菌の培養液」
えひめAIは、主に以下の3種類の微生物を組み合わせて培養した液体です。
- 納豆菌(枯草菌)…強い分解力と耐久性があり、有機物の発酵・分解を促進
- 乳酸菌…酸を作って悪臭原因菌などを抑え、環境を安定させる
- 酵母菌(イースト)…糖分をエサに増殖し、他の菌の活動を後押し
これらを砂糖(糖分)と一緒に温度管理しながら発酵させることで、家庭でも扱いやすい微生物資材として利用できるようになります。えひめAIは「環境浄化微生物」とも呼ばれ、排水のにおい軽減、家庭菜園の土づくり、生ごみの分解促進など、多用途で使われています。
えひめAI-1とえひめAI-2の違い
えひめAIにはいくつかのバリエーションがありますが、家庭でよく使われるのはえひめAI-2です。
- えひめAI-1:研究機関や一部自治体が扱うタイプで、専用のスターターを使う場合が多い。
- えひめAI-2:納豆・ヨーグルト・ドライイースト・砂糖・水(または米のとぎ汁)など、家庭で手に入る材料で作れるタイプ。
この記事では、特に家庭で作りやすく、農業・園芸・家庭内で幅広く使えるえひめAI-2の作り方を中心に解説しつつ、応用として大量培養や自治体マニュアルで使われている配合例も紹介します。
えひめAI作りに必要な材料と道具
標準的な500mlバージョンの材料
まずは、自宅で試しやすい「500mlペットボトル1本分」を目安にしたレシピを紹介します。自治体資料や農業系サイト、動画解説などでよく紹介されている配合をベースに、家庭用として扱いやすい分量にしています。
- 納豆:1粒(ネバネバ部分だけでも可)
- ヨーグルト(無糖・加糖どちらでも可):約25g
- ドライイースト:2〜5g(パン用の一般的なもの)
- 砂糖(白砂糖・三温糖など):約25g
- 水またはぬるま湯:およそ450ml(40℃前後が理想)
- 500mlペットボトル:フタ付きで洗浄済みのもの
レシピによっては、ドライイーストや砂糖の量をやや増やしたり、40℃前後のぬるま湯でスタートする方法が紹介されています。基本的な考え方は同じで、「糖分+微生物+適温」で発酵を進めることが目的です。
大量に作りたい場合の代表的レシピ(10Lクラス)
家庭菜園や畑で本格的に使いたい場合は、最初から多めに仕込む方法もあります。自治体のマニュアルなどでは、10L前後を一度に培養するレシピがよく使われています。
- 納豆:約20粒
- ヨーグルト:500g
- ドライイースト:40g
- 砂糖:500g
- 水または米のとぎ汁:約9L
- フタ付きの漬物樽やポリタンク(10〜20L用)
- 水槽用ヒーターなど、35〜40℃で保温できる機器
配合比率は、小さいレシピをそのまま拡大したイメージです。大量仕込みをしたい方は、小さい量で一度成功させてからチャレンジすると安心です。
必要な道具一覧
- ペットボトルまたは培養用の容器(樽・ポリタンクなど)
- 計量スプーン・計量カップ・キッチンスケール
- かくはん用のスプーンや泡立て器
- 温度計(可能であれば)
- 保温用の道具(発泡スチロール箱・湯たんぽ・水槽用ヒーター・こたつ布団など)
特別な装置は不要ですが、温度管理が成功のカギになります。夏場は直射日光下や室内の暖かい場所、冬場はヒーターや保温箱を上手に活用すると失敗が少なくなります。
えひめAI(えひめAI-2)の基本的な作り方手順
ステップ1:納豆のネバネバを用意する
納豆菌を効率よく取り出すために、最初に納豆のネバネバ部分を水に溶かします。
- 小さな容器に少量の水(大さじ2〜3)を入れる。
- 納豆1粒を入れ、よくかき混ぜてネバネバを水に溶かす。
- 粒そのものは使っても良いですが、ネバネバ水だけを使う方法もあります。
この「ネバネバ水」を使うことで、ペットボトル内でダマになりにくく、まんべんなく納豆菌が行き渡りやすくなります。
ステップ2:ペットボトルに材料を入れる
次に、ペットボトルに各材料を順番に入れていきます。
- 空のペットボトルに砂糖を入れる。
- ヨーグルトをスプーンで計り入れる。
- ドライイーストを加える。
- ステップ1で作った納豆のネバネバ水を注ぐ。
- 40℃前後のぬるま湯または水を、ペットボトルの8分目くらいまで入れる。
この時点で満杯にしないことが重要です。発酵が進むとガスが出て膨らむため、余裕を持たせておきます。
ステップ3:よく混ぜる(攪拌)
材料が入ったら、フタをしっかり閉めてからペットボトルをよく振ります。
- 砂糖やヨーグルトの塊が残らないように、1〜2分ほどしっかりシェイクする。
- 泡立ってきても問題ありません。
攪拌が不十分だと、ボトル内でムラができ、発酵が偏りやすくなります。ここは少し念入りに行いましょう。
ステップ4:フタをゆるめて発酵・培養する
混ぜ終わったら、発酵させるために一定の温度で1週間ほど置きます。
- ペットボトルのフタを軽くゆるめる(完全には外さない)
- 30〜40℃程度の場所で約1週間保温する
- 夏は直射日光の当たる屋外や窓際、冬は水槽用ヒーター入りの容器や、発泡スチロール箱+湯たんぽなどで保温する
発酵中はガスが発生するため、フタを固く閉めたままにしておくとボトルが膨張・破裂する危険があります。必ずガス抜きできる状態にしておき、様子を見て時々軽くフタを開けてガスを逃がすと安全です。
ステップ5:1週間後の状態をチェック
発酵が順調な場合、次のような変化が見られます。
- ボトル内に細かい泡が見える
- パンやヨーグルトのような、発酵食品に近い香りがする
- においに強い腐敗臭がない
- 液体の色がわずかに濁り、底にオリ(沈殿物)がたまっている
pHを測る道具があれば、最終的にpH4前後(弱酸性)になっているのが理想的です。pHを測らなくても、酸っぱい香り+発酵食品らしい匂いであれば、まず成功と考えて良いでしょう。
大量培養(えひめAI-2を10L以上作る方法)
一次培養→二次培養の考え方
自治体のマニュアルなどでは、効率よく大量に増やすために「一次培養」「二次培養」という考え方が紹介されています。
- 一次培養:納豆・ヨーグルト・砂糖・ドライイースト・水を混ぜて、元となるえひめAI-2を作る工程。
- 二次培養:一次培養でできた液の一部を「種」にして、砂糖と水を追加してさらに増やす工程。
これにより、初回の材料量を抑えつつ、大きな量を確保することができます。
10Lクラスの一次培養手順
代表的な10Lレシピをベースに、流れを説明します。
- 大きめのボウルかミキサーに、納豆・ヨーグルト・砂糖・ドライイーストを入れる。
- 少量の水(または米のとぎ汁)を加え、2〜3分間ミキサーにかけるか、泡立て器でよく混ぜる。
- 漬物樽やポリタンクに移し、残りの水(または米のとぎ汁)を加える。
- 全体をよくかき混ぜる。
- 35℃前後を保てるよう、ヒーターや保温材で温度管理しながら約1週間培養する。
泡の発生や発酵のにおい、pHの低下など、小さいスケールと同様の変化を目安にします。
二次培養でさらに増やす方法
一次培養液が完成したら、その一部を使って二次培養が可能です。
- 一次培養したえひめAI-2:1L程度
- ドライイースト:40g
- 砂糖:500g
- 水または米のとぎ汁:約9L
手順は一次培養とほぼ同じで、一次培養液をスターターとして加える点だけが異なります。これにより、微生物数が多い状態から培養を始められるため、安定して増やしやすくなります。
えひめAIの保存方法と扱い方
完成後の保存のコツ
えひめAI-2は「生きた微生物の液体」です。そのため、保存環境によっては発酵が進みすぎたり、劣化したりする可能性もあります。
- 直射日光を避け、涼しい場所で保存する。
- 常温でも保存可能だが、長期保管したい場合は冷暗所へ。
- 長く置くと成分が沈殿するので、使用前に容器をよく振ってオリを混ぜる。
- 強い異臭や色の大きな変化があれば使用を控える。
大量に仕込んだ場合は、上澄みとオリ(沈殿)に分けて、オリを冷蔵保存し、使うときに再び水で薄めて利用する方法もよく紹介されています。
どれくらいの期間使えるか
保存条件にもよりますが、家庭レベルではおおむね1〜2か月程度を目安に使い切ると安心です。時間が経つにつれて菌のバランスが変わる可能性もあるため、少なめに仕込んでこまめに作り直すと、安定した品質で活用しやすくなります。
えひめAIの代表的な使い方
1. 家庭菜園・畑での土づくり・液肥として
えひめAIは、植物の根張りを良くしたり、土壌中の有機物の分解を促す目的でよく利用されます。動画や農家向けサイトなどでも、「根が元気になる」「葉色が良くなる」といった声が多く紹介されています。
基本的な希釈の目安
- 液肥・葉面散布として使用:500倍程度に薄める
- 病害虫の予防目的など:1000倍程度の薄めた濃度で散布する例もある
濃度が濃すぎると、植物にストレスを与える場合もあるため、最初は薄め(500〜1000倍)から試し、植物の様子を見ながら調整していくと安心です。
散布方法の例
- じょうろに希釈したえひめAIを入れ、畑全体やプランターの土にまんべんなくかける。
- 霧吹きに希釈液を入れて、葉の表裏に軽くスプレーする。
- 定植前の苗に、薄めのえひめAIをかけておくことで、植え付け後の活着を助ける使い方もある。
2. 生ごみ処理・堆肥化の促進
えひめAIは、有機物の分解をサポートするため、生ごみの処理にも役立ちます。
- 生ごみを入れた容器に、薄めたえひめAIをスプレーして混ぜる。
- 米ぬかや土と一緒に生ごみと混合し、分解を早める。
- においが気になる生ごみやコンポストに、希釈液を吹きかけることで、臭気軽減に役立つことがある。
生ごみ処理機やコンポストとの併用で、よりスムーズな堆肥化が期待できます。
3. 排水やトイレなどの悪臭対策
えひめAIは「環境浄化微生物」とも呼ばれ、排水口やトイレなど、においが気になる場所への活用もよく紹介されています。
- お風呂や台所の排水口に、薄めたえひめAIを流す。
- トイレの便器や配管に、希釈液を定期的に流す。
- 側溝や浄化槽などに散布するケースもある(自治体マニュアルなどで紹介)。
あくまで補助的な環境改善策ですが、「悪臭を抑えつつ、環境への負荷が少ない方法」として紹介されていることが多いです。
4. 家庭内の清掃への応用
一部の自治体資料では、えひめAI-1やえひめAI-2を薄めて、キッチンや浴室の掃除に使用する例も紹介されています。
- えひめAIを水で希釈し、スプレーボトルに入れて台所やシンク周りの拭き掃除に利用。
- まな板や排水口のぬめり対策として、スプレー後にしばらく置いてから洗い流す。
洗剤とは異なり、界面活性剤などを含まないため、汚れ落ちというより「微生物の力で環境を整える」イメージで使うとよいでしょう。
注意点と安全に使うためのポイント
発酵中の安全管理
- フタを締め切らない。必ずゆるめてガスを逃がせる状態にしておく。
- 高温になりすぎる場所(50℃以上など)には置かない。
- 子どもやペットが触れない場所で発酵させる。
- 室内で培養する場合は、換気も適度に行う。
万一ボトルが大きく膨らんできた場合は、タオルなどで包みながら、ゆっくりとフタを緩めてガスを抜きましょう。
口に入れない・食品として扱わない
材料自体は食べられるものですが、えひめAI-2は「肥料・環境改善用の微生物資材」として扱うものです。人が飲用・食用にすることは想定されていません。誤飲しないよう、ペットボトルには必ずラベルを貼り、「えひめAI/飲用不可」などと分かるように表示しておくと安心です。
アレルギーや衛生面への配慮
- 納豆や乳製品にアレルギーがある場合は、皮膚につかないよう注意し、手袋を使うと安心。
- 作業後は手洗いをしっかり行う。
- 長期間放置して色やにおいが明らかにおかしくなったものは、無理に使用せず処分する。
処分する場合は、水でよく薄めて下水に流す、または土に撒いて自然に戻すなどの方法が考えられますが、地域のルールも確認しながら行ってください。
よくある失敗例と対処法
発酵しない・泡立ちが少ない場合
発酵がうまく進んでいないときは、次の点をチェックしてみてください。
- 温度が低すぎないか(20℃以下だと動きが鈍くなる)。
- 砂糖が十分に入っているか(微生物のエサ不足)。
- ドライイーストが古すぎないか(製造から時間が経って劣化している)。
- 納豆やヨーグルトの使用量が極端に少なすぎないか。
温度が低い時期は、保温器具や発泡スチロール箱+湯たんぽなどで35℃前後をキープすると、発酵が進みやすくなります。
においが強すぎる・腐敗臭がする場合
酸っぱい香りや発酵食品のにおいであれば問題ありませんが、明らかに腐敗臭や刺激臭がする場合は、雑菌が優勢になっている可能性があります。
- 清潔な容器を使っているか。
- 材料が傷んでいなかったか。
- 直射日光や高温で放置しすぎていないか。
このような場合は無理に使わず、処分して作り直す方が安心です。次回は容器を熱湯消毒する、材料を新鮮なものに変えるなどの工夫をしてみましょう。
濃度が強すぎて植物が元気をなくした場合
希釈が不十分な状態で土や葉にかけると、一部の植物では葉焼けや根への負担になることがあります。
- 500倍〜1000倍という薄めの濃度からスタートする。
- 最初は小さな範囲で試験し、植物の反応を見てから全体に使う。
- 日中の強い日差しを避け、朝夕の涼しい時間帯に散布する。
えひめAI作りを楽しむためのアドバイス
家庭での「小さな発酵実験」として楽しむ
えひめAIづくりは、化学実験のような厳密さよりも、「発酵の様子を観察しながら微生物の働きを感じる」楽しさがあります。泡立ちや香りの変化を記録しておくと、自分なりのベストな条件が見つかりやすくなります。
地域の情報や講習会も活用する
自治体によっては、えひめAIの作り方講習会やマニュアル配布を行っているところもあります。また、農家向け雑誌やDVD、動画などでも詳しい手順や活用事例が紹介されています。複数の情報源を参考にしながら、自分の環境や目的にあった使い方を見つけていくのがおすすめです。
持続可能な暮らしへの一歩として
えひめAIは、家庭にある食品と少しの工夫で作れる、環境負荷の低い微生物資材です。排水や生ごみ、土づくりといった身近な場面から、環境配慮型の暮らし方にチャレンジできるツールとしても注目されています。小さな一歩ですが、自分の手で「環境にやさしい仕組み」を作る体験は、とても学びが大きく、楽しい取り組みになります。
まとめ
えひめAIは、納豆菌・乳酸菌・酵母菌を中心とした善玉菌を、砂糖と適切な温度で培養することで作ることができる、環境浄化・土づくりに役立つ微生物液です。家庭にはおなじみの納豆とヨーグルト、ドライイースト、砂糖、水、そしてペットボトルがあれば、特別な器具がなくても500ml単位で手軽に作れます。発酵のコツは、材料をよく混ぜること、30〜40℃前後を保つこと、発酵ガスが抜けるようにフタをゆるめておくことの3点です。1週間ほどでパンやヨーグルトのような発酵臭と酸味を持つ液体に育ち、これを500〜1000倍程度に薄めて土や葉に散布することで、根の活力アップや土壌環境の改善、生ごみや排水のにおい対策、台所や浴室の掃除への応用など、暮らしのさまざまな場面で活用できます。
また、漬物樽やポリタンク、水槽用ヒーターなどを使えば、10L以上の大量培養も可能で、一次培養液を種として二次培養することで効率よく増やすこともできます。えひめAIは飲用ではなく環境改善用の微生物資材であり、清潔な容器の使用や温度管理、保存環境の工夫など、いくつかの基本的な注意点を守ることで、家庭でも安全に扱うことができます。発酵がうまくいかない、においがおかしい、植物が弱ったなどのトラブルがあったときも、温度・糖分・希釈倍率といったポイントを見直すことで、多くの場合は改善が可能です。複数の自治体マニュアルや農家向け解説、動画などを参考にしながら、自分の生活環境や栽培スタイルに合った「我が家流のえひめAI」を育てていく過程そのものが、発酵や微生物の世界を身近に感じる良いきっかけになるでしょう。環境にも家計にもやさしいえひめAIづくりを通して、毎日の暮らしに小さな循環と楽しさをプラスしてみてください。
家庭で作るえひめAI-2完全ガイド:ペットボトル1本から10Lの大量培養までの材料・手順・活用法をまとめました
この記事では、「えひめai作り方」というクエリからイメージされる内容として、家庭で実践できるえひめAI(特にえひめAI-2)の作り方と活用法を、複数の情報源に基づいてまとめました。ペットボトル1本から始められる少量レシピから、自治体マニュアルにも掲載される10Lクラスの大量培養まで、ステップごとの手順や温度管理のコツ、発酵がうまくいかないときのチェックポイントなどを整理しています。また、家庭菜園の液肥や土づくり、生ごみや排水のにおい軽減、家庭内清掃への応用など、ポジティブで実用的な使い方に焦点を当てました。「えひめai作り方」というキーワードで情報を探している方にとって、単なるレシピ紹介にとどまらず、発酵の仕組みや安全な扱い方、トラブル時の対応まで視野に入れ、すぐに実践しやすいガイドとなることを目指しています。自宅での小さな発酵実験として、また環境にやさしい暮らしの一歩として、この記事を参考に自分だけのえひめAIづくりにチャレンジしてみてください。















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