【2026年】SES AIの使い方|AI材料探索プラットフォームの機能と料金

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この記事の要点

  • SES AI(エスイーエス・エーアイ)は、AIと物理シミュレーションを組み合わせて電池向けの材料を探索する企業・プラットフォームの名称です。
  • 中核となるのが「Molecular Universe(モレキュラー・ユニバース)」という材料探索サービスで、膨大な分子データを地図のように可視化して扱えます。
  • 自然言語で質問できる「Ask」機能や、専門家レベルの回答を返す「Deep Space」など、AIエージェント寄りの機能が充実しています。
  • 2026年5月にはエージェント管理型の「MU-StarSeeker」を含むMU-3.0が公開され、研究ワークフローの自動化まで踏み込みました。
  • 料金は教育機関向けの無料枠から法人向けの上位プランまで段階制で、用途に合わせて選べます。

SES AIとは?AIと物理で材料を探す新しい発想

「ses ai」というキーワードで注目を集めているのが、電池分野を軸にしたAI材料探索プラットフォームです。従来、次世代電池に使える新しい材料を見つける作業は、研究者が仮説を立て、実験室で一つずつ試し、結果を確認するという地道な繰り返しでした。これには膨大な時間とコストがかかり、有望な候補にたどり着くまでに何年もかかることが珍しくありませんでした。

SES AIが提示しているのは、この探索プロセスをAI(人工知能)と物理計算の両輪で加速させるという考え方です。単に統計的にそれっぽい答えを返す仕組みではなく、分子の性質を物理法則に基づいて評価しながら、AIが候補を絞り込んでいく点が特徴とされています。物理の裏付けとAIの探索力を組み合わせることで、勘や経験だけに頼らない材料開発が現実味を帯びてきました。

ポイント:SES AIは「AIツール単体」というより、データベース・可視化・AIエージェント・実験連携までを一つの流れでつなぐ材料探索の基盤として位置づけられています。ニュースやツール紹介の文脈では、生成AIとは少し違う「科学のためのAI(AI for Science)」の実例として理解すると分かりやすいでしょう。

近年は「AI4Science」という言葉で、科学研究そのものをAIで前進させる動きが世界的に広がっています。SES AIのアプローチはその代表例のひとつで、電気自動車、ドローン、エネルギー貯蔵システム(ESS)、家電など、電池が関わる幅広い分野で活用が進んでいるとされています。

Molecular Universeの仕組み|100万分子を地図で眺める

SES AIの中核サービスがMolecular Universe(モレキュラー・ユニバース)です。名前のとおり「分子の宇宙」をコンセプトにしており、電池に使える可能性のある小分子を地図のように可視化して探せるのが最大の特徴です。

技術的な背景として、分子はもともと非常に多くの性質(次元)を持つ複雑なデータです。Molecular Universeでは、この512次元にもおよぶ情報を、UMAPと呼ばれる次元削減の手法で2次元の地図に落とし込んでいます。難しく聞こえますが、要は「たくさんの特徴を持つ分子たちを、似たもの同士が近くに集まるよう平面上に並べ直した」と考えると分かりやすいです。

公開初期のバージョンでは、この地図に23の「分子大陸」が描かれ、ブラウザ上では約100万分子、検索対象としては最大1億分子という規模のデータが扱えるとされています。世界最大級の小分子データベースとうたわれており、研究者が「どのあたりの分子が目的に合いそうか」を直感的に俯瞰できる設計です。

ここが便利:ばらばらのデータベースを何度も検索する代わりに、一つの画面で分子を探し、絞り込み、性質を確認できるのが大きな魅力です。地図を眺めながら未知の領域を発見できるため、まさに「探索」という言葉がしっくりきます。

4つの基本機能|Map・Filter・Search・Ask

Molecular Universeは、初期リリースの時点で4つの基本機能を軸に組み立てられています。それぞれが役割分担しており、組み合わせて使うことで材料探索の流れが完結します。

機能 できること
Map(マップ) 分子の宇宙を地図として俯瞰し、似た性質の分子が集まる領域を視覚的に把握する
Filter(フィルター) 目的の性質や条件で分子を絞り込み、候補を一気に狭める
Search(サーチ) 膨大な分子データベースをまとめて横断検索する
Ask(アスク) 自然言語で質問を投げかけ、対話しながら答えを引き出す

特に注目されているのが「Ask」です。専門的なコマンドや検索式を覚えなくても、普段の言葉でそのまま質問できるため、AIツールに慣れていない研究者でも扱いやすい設計になっています。生成AIチャットの使い勝手を、材料科学の世界に持ち込んだイメージです。

知っておきたいこと:地図で全体像をつかみ、フィルターと検索で候補を絞り、最後にAskで深掘りする——という流れが基本形です。「見る・絞る・探す・尋ねる」の4ステップで覚えておくと、機能の位置づけが頭に入りやすくなります。

AIエージェント機能|Deep SpaceとMU-StarSeeker

Molecular Universeは公開後も進化を続けており、単なる検索ツールからAIエージェントが自律的に働く基盤へと発展しています。その象徴が「Deep Space」と「MU-StarSeeker」です。

Deep Space|専門家レベルの回答を短時間で

Deep Space(ディープスペース)は、Molecular Universeに追加されたエージェント機能です。単純な検索結果を返すだけでなく、ベテラン研究者クラスの踏み込んだ回答を生成できるとされています。応答にかかる時間はおおむね10〜20分ほどで、人の科学者が同等の検討に数年単位を要する場面と比べると、探索のスピード感は大きく変わります。

ポイント:ここでの「10〜20分」という数字は、あくまで初期の目安として示されたものです。重要なのは、これまで人手で長期間かかっていた検討の一部を、AIが短時間で肩代わりできる可能性が見えてきたという点です。

MU-StarSeeker|ワークフローを自動化するMU-3.0

2026年5月には、最新版としてMU-3.0が公開され、その目玉として「MU-StarSeeker(スターシーカー)」というエージェント管理型のAIプラットフォームが登場しました。これは、これまでの「AIが研究を手伝う」段階から一歩進み、材料探索のワークフロー全体をエージェントが管理・自動化するという方向性を示しています。

MU-StarSeekerでは、AIエージェントが仮説を立て、シミュレーションで分子や配合の候補をふるいにかけ、電池セルレベルの性能を予測します。さらに自律実験の仕組み(A-labs)で実際のデータを取得し、その結果からプラットフォームが学習していく——という循環が想定されています。計算上のデータ(ドライ)と実験データ(ウェット)を統合したループが特徴です。

ここが進化:分子検索から配合の最適化、セル性能の予測、製造品質のガイドまでを一連の流れでつなぐことで、無駄な実験を減らし、予測精度を高め、より安全で高性能な材料の発見を早めることが狙いとされています。クラウドと自社環境(オンプレミス)の両方に対応する点も、企業利用を意識した設計です。

対応する材料の幅も広がっており、エネルギー貯蔵で存在感を増しているナトリウムイオン(Na-ion)電池もMU-3.0でカバー範囲に加わったとされています。用途としてはドローン、ロボティクス、エネルギー貯蔵、モビリティなど、電池が鍵を握る先端分野が挙げられています。

料金プランを比較|無料枠から法人向けまで

Molecular Universeは段階的な料金プランを採用しており、使う人の立場や規模に合わせて選べるのが特徴です。学生・研究者が気軽に触れる無料枠から、大規模なデータにアクセスできる法人向けまで用意されています。

プラン 対象・料金の目安 特徴
Research 教育機関メール(.edu)を持つ人は無料 学術研究者が試しやすい入門枠
Explorer 1ユーザーあたり月150ドル前後 クエリ回数の制限なしで個人利用に向く
Team 月1,000ドル前後で最大10ユーザー チーム単位での共同利用に対応
Enterprise 法人向け(個別) 最大1億分子など上位プランの数十倍規模にアクセス、データベースとAIモデルの定期更新も

選び方の目安:まずは無料のResearch枠や個人向けのExplorerで感触をつかみ、本格導入は上位プランへという流れが現実的です。料金は変更される場合があるため、実際の契約前に最新の条件を確認するのがおすすめです。

どんな人・分野で使われている?

Molecular Universeの主な利用者として想定されているのは、電池メーカー、電解質・正極材などの材料メーカー、そして自動車メーカーです。加えて、大学や研究機関の研究者も無料枠を通じて利用しやすくなっています。

AI4Scienceプラットフォームとしては、これまでに複数の材料上のブレークスルーが生まれ、電気自動車・ドローン・エネルギー貯蔵システム・家電といった分野で40社を超える顧客がテスト・活用しているとされています。実際のビジネス現場に入り込みつつある点は、研究段階にとどまらない実用性を示しています。

SES AIは電池材料に特化していますが、その根っこにある「AIで科学的な発見を加速する」という発想は、創薬や新素材開発など他分野にも応用が期待される考え方です。AIツールの動向を追ううえで、押さえておきたいテーマといえます。

使い始める前に知っておきたいこと

便利なプラットフォームですが、導入前に理解しておくと安心なポイントもあります。

  • 専門性が高い:材料科学の基礎知識があるほど機能を活かしやすく、まったくの初学者にはやや敷居が高い面があります。まずは無料枠で操作感を確かめるのが安心です。
  • 回答はあくまで探索の出発点:AIが示す候補や予測は、開発の方向性を絞る材料として捉え、最終的には実験で確かめる姿勢が大切です。
  • バージョンが更新され続ける:MU-0からMU-3.0へと機能が進化しているように、内容は今後も変わります。導入時は最新の対応範囲を確認しましょう。
  • 料金・プラン内容は変動しうる:ここで紹介した金額は目安であり、実際の条件は都度チェックするのが確実です。

まず試すなら:教育機関メールを持つ研究者は無料のResearch枠から、個人で本格的に触れたい人はExplorerから始めるのが分かりやすい入口です。地図を眺めながらAskで質問してみるだけでも、AI材料探索の面白さが体感できます。

まとめ

SES AIは、AIと物理シミュレーションを組み合わせて電池向け材料を探索するプラットフォームです。中核のMolecular Universeは、512次元の分子情報を2次元の地図に落とし込み、Map・Filter・Search・Askの4機能で直感的に材料を探せる点が魅力です。さらにDeep SpaceやMU-StarSeeker(MU-3.0)といったAIエージェント機能によって、仮説立案から性能予測、実験連携までを自動化する方向へと進化しています。無料の研究者向け枠から法人向けまで料金が段階的に用意されているため、立場に合わせて始められるのも実用的です。

【2026年】SES AIの使い方|AI材料探索プラットフォームの機能と料金をまとめました

ニュース・ツール紹介の視点で見ると、SES AIは「科学のためのAI(AI4Science)」を代表する実例のひとつです。生成AIとは異なる切り口で、AIが人の発見を加速する未来を具体的に示してくれます。まずは無料枠で地図とAskに触れ、AIによる材料探索の感覚をつかんでみてください。今後のバージョンアップにも注目しておきたいプラットフォームです。

情報更新日:2026年7月5日(プラットフォームのバージョン・料金・提供内容は変更される場合があります。Molecular UniverseはMU-0が2025年4月、MU-3.0が2026年5月時点の情報を基にしています)

※診断結果は娯楽を目的としたもので、医学・科学的な根拠はありません。
ご自身の判断でお楽しみください。

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