ノートパソコン選びで「AI性能」を重視する人が増えている中、注目を集めているのがAMD Ryzen AI 9 HX 370です。ローカルでAIモデルを動かせる処理能力を備えたこのチップは、Copilot+ PCの中核として多くの新型ノートに採用されています。この記事では、性能の特徴からNPUの実力、搭載モデルの選び方までをまとめました。
- Zen 5アーキテクチャ採用で12コア24スレッド、高いマルチタスク性能を実現
- NPU(XDNA 2)は最大50 TOPSのAI処理性能を持ち、Copilot+ PCの要件を上回る
- 内蔵GPU「Radeon 890M」により軽めのゲームやクリエイティブ用途もこなせる
- ローカルLLMや画像生成AIをクラウドを介さず動かせるのが最大の魅力
- 搭載ノートは20万円台から60万円台まで幅広いラインナップが登場している
Ryzen AI 9 HX 370とは
Ryzen AI 9 HX 370は、AMDが展開する「Ryzen AI 300シリーズ」の上位モデルにあたるモバイル向けプロセッサです。従来のCPU・GPUに加えて、AI処理専用の演算ユニットであるNPU(ニューラル処理ユニット)を統合しているのが特徴で、いわゆる「AI PC」と呼ばれる新世代ノートパソコンの心臓部として位置づけられています。
単なる高性能CPUではなく、AI処理に特化した回路を内蔵している点が従来モデルとの大きな違いです。動画編集や画像生成などのAIタスクを、クラウド接続なしでスムーズにこなせるよう設計されています。
スペックの特徴をチェック
まずは主要スペックを整理します。CPU部分は最新のZen 5アーキテクチャをベースにしており、4nmプロセスで製造されていることから、電力効率と処理性能のバランスが取れているのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コア/スレッド数 | 12コア24スレッド |
| アーキテクチャ | Zen 5(一部Zen 5c)/4nmプロセス |
| 最大ブーストクロック | 約5.1GHz(Zen 5コア) |
| 内蔵GPU | Radeon 890M(16コア/最大2.9GHz) |
| NPU性能 | 最大50 TOPS(XDNA 2搭載) |
| L3キャッシュ | 最大24MB |
| TDP | 約54W |
ポイント:ベンチマークでは、シングルコア性能・マルチコア性能ともに同世代のモバイル向けチップの中で上位に位置する結果が報告されています。動画編集や3DCGなど負荷の高い作業でも快適さを発揮しやすい構成です。
NPUとCopilot+ PCとしての実力
Ryzen AI 9 HX 370最大の注目ポイントは、やはりNPU「XDNA 2」の存在です。50 TOPSという処理性能は、Windows 11の「Copilot+ PC」に求められる40 TOPS以上という基準を余裕を持ってクリアしており、正式にCopilot+ PC認証を取得している点も安心材料になります。
Copilot+ PCとして認証されているノートは、リコール(操作履歴の検索)やライブキャプション、画像生成といったAI機能をOS標準でスムーズに利用できるのが強みです。
NPUを活用したAI処理は、次のような場面で真価を発揮します。
- ローカルLLM(大規模言語モデル)の実行:インターネット接続やクラウド利用料を気にせず、AIチャットや文章生成をオフラインで試せる
- 画像生成AI
- 動画編集:被写体の自動認識、手ブレ補正、自動色調整、字幕の自動生成などをAIがサポート
- 写真編集:大量の写真をまとめて処理するバッチ編集や、マスク作成・HDR処理の高速化
NPU処理は消費電力が小さいため、AIタスクを動かしながらもバッテリー持ちを確保しやすいというメリットもあります。外出先でのクリエイティブ作業と相性が良い設計です。
搭載ノートPCの選び方と価格帯
Ryzen AI 9 HX 370は、クリエイター向けのハイエンドモデルから、コストパフォーマンス重視のモデルまで幅広いノートパソコンに採用されています。用途に応じて選び方のポイントが変わってきます。
選び方の目安:動画・画像編集がメインならメモリ32GB以上・専用GPU搭載モデル、持ち運び中心の作業用途ならメモリ16〜32GBの軽量モデルが候補になります。
- クリエイター向けハイエンド(3K有機ELディスプレイ+専用GPU搭載):メモリ32GB構成でおよそ28万円台から、メモリ64GB・大容量ストレージ構成では60万円台まで幅がある
- コストパフォーマンス重視モデル:メモリ32GB・SSD 1TB・2.8K高解像度ディスプレイ搭載で20万円前後から選べる構成もある
専用GPUを搭載したモデルは重めの画像生成AIや動画レンダリングに強く、内蔵GPUのみのモデルは価格を抑えつつ日常的なAI活用に十分な性能を確保しやすい傾向があります。予算と用途のバランスを見ながら選ぶのがおすすめです。
どんな人に向いている?
Ryzen AI 9 HX 370搭載ノートは、次のような人に特に向いています。
・AIチャットや文章生成をオフライン環境でも使いたい人
・動画や写真の編集作業でAI補助機能を活用したいクリエイター
・Copilot+ PCの新機能をいち早く試したいガジェット好き
・バッテリー持ちを保ちながら高い処理性能を求めるビジネスユーザー
一方で、ゲーミング用途で高フレームレートを求める場合や、非常に重い3Dレンダリングを日常的に行う場合は、専用の外部GPUを搭載したモデルとの比較検討もおすすめです。
まとめ
Ryzen AI 9 HX 370は、Zen 5アーキテクチャによる高いCPU性能と、50 TOPSのNPUによるAI処理能力を兼ね備えたモバイル向けプロセッサです。Copilot+ PCとしての認証を受けており、ローカルLLMの実行や画像生成、動画編集のAI補助など、クラウドに頼らないAI活用を後押ししてくれる点が大きな魅力といえます。搭載ノートは価格帯も幅広いため、用途と予算に合わせて自分に合った1台を見つけやすいのも安心材料です。なお、上記のスペックや価格情報は2026年8月時点で確認したものです。
Ryzen AI 9 HX 370の性能とNPU|ローカルAI活用ノートPCの選び方をまとめました
Ryzen AI 9 HX 370は、12コア24スレッドのCPU性能とRadeon 890M内蔵GPU、そして50 TOPSのNPU「XDNA 2」を組み合わせたAI PC向けプロセッサです。ローカルでのAIチャット・画像生成・動画編集支援など、クラウドに依存しないAI活用を求める人にとって有力な選択肢となっています。搭載ノートは20万円台のコストパフォーマンスモデルから60万円台のハイエンドクリエイター向けモデルまで揃っているため、まずは自分の用途に必要なメモリ容量やディスプレイ性能を基準に候補を絞り込んでみるとよいでしょう。



















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