Google検索の中に用意された「AIモード」は、キーワードを並べて探す従来の検索とは違い、長く複雑な質問をそのまま文章で投げかけ、AIとやり取りしながら答えにたどり着ける機能です。日本語版は2025年9月から提供が始まり、2026年に入ってからもモデルの更新や検索ボックスの刷新、エージェント機能の発表など、大きな動きが続いています。
この記事の要点
- AIモードは、質問をサブトピックに分けて同時に調べる「クエリファンアウト」という仕組みで、1回の質問で幅広い答えを返してくれる
- テキストだけでなく、音声・画像・ファイルでも質問でき、追加の質問で掘り下げていける
- 2026年には既定モデルがGemini 3.5 Flashに更新され、検索ボックスも大きく刷新された
- 予定の調整や予約、継続的な情報収集を任せる「エージェント」機能も順次広がる方針が示されている
- 従来の検索・AI Overviews・Geminiアプリと役割を分けて使うと、調べものの効率が上がる
Google検索のAIモードとは?基本をおさらい
AIモードは、Google検索の結果ページや検索ボックスの近くに表示される「AIモード」タブから呼び出せる、対話型の検索体験です。検索結果のリンクを一覧で見るのではなく、AIがまとめた回答と、その根拠になるウェブ上のリンクを同じ画面で確認できます。
日本語版は2025年9月9日から順次提供が始まりました。PCやスマートフォンのブラウザのほか、AndroidやiOSのGoogleアプリからも使えます。提供元は、この機能を「Googleで最も高度なAI検索体験」と位置づけており、初期の日本語版ではGemini 2.5をカスタマイズしたモデルが使われていました。
ポイント:「検索」と「AIとの会話」の中間にある存在です。ウェブの最新情報に基づいた回答が得られるため、日々更新される情報を調べたいときに向いています。
AI Overviewsとの違い
検索結果の最上部に表示される「AI Overviews(AIによる概要)」は、通常の検索結果ページの一部として要約を出す機能です。一方のAIモードは、専用の画面で会話を続けられる点が大きな違いです。概要をさっと確認したいときはAI Overviews、条件を重ねて調べ込みたいときはAIモード、と使い分けると自然です。
Geminiアプリとの違い
GeminiはGoogleのAIモデル群、およびそれを使った対話アプリの名前です。AIモードはそのモデルを検索に最適化して組み込んだものと捉えると分かりやすいでしょう。文章の下書きやコード作成、アイデア出しといった創作系はGeminiアプリ、ウェブ上の情報を根拠つきで調べる用途はAIモード、という住み分けが目安です。
| 機能 | 得意なこと | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 通常の検索 | 特定のサイトや公式ページへ素早く到達する | 店舗の営業時間、公式サイトの確認 |
| AI Overviews | 検索結果の上部で要点を短く把握する | ざっくり知りたい用語や概要の確認 |
| AIモード | 複雑な質問を分解し、会話しながら調べ込む | 比較検討、旅行計画、学習、情報整理 |
| Geminiアプリ | 文章作成、コード、長めのリサーチレポートなど | 下書き作成、アイデア出し、資料づくり |
AIモードを支える仕組み「クエリファンアウト」
AIモードの特徴としてよく紹介されるのがクエリファンアウトという手法です。ひとつの複雑な質問を、AIが自動でいくつものサブトピックに分け、それぞれについて同時に検索を実行します。その結果を統合して1つの回答にまとめる、という流れです。
たとえば「京都駅発で6泊7日、伝統工芸と歴史的な場所を中心に、おすすめの食事処も含めた旅行プランを立てたい」と入力したとします。従来なら「京都 伝統工芸 体験」「京都 歴史 名所」「京都駅周辺 ランチ」などと、キーワードを変えて何度も検索する必要がありました。AIモードでは、こうした分解と検索をAIが代わりに行ってくれるため、最初の一手間が大きく減ります。
コツ:条件は最初にまとめて書くのがおすすめです。「人数」「予算」「期間」「重視すること」を1文に入れると、分解の精度が上がり、追加の質問も少なく済みます。
2026年に進んだAIモードのアップデート
2026年に入り、AIモードは「試験的な追加機能」から検索の中心的な入口へと位置づけが変わりつつあります。5月のGoogle I/Oで示された主な内容を整理します。
既定モデルがGemini 3.5 Flashに
提供元は、AIモードの既定モデルをGemini 3.5 Flashへ更新し、世界中のユーザーが使えるようにすると発表しました。Flash系のモデルは応答の速さに強みがあり、エージェント的な処理やコード生成でも高い性能を目指したモデルとされています。あわせて、AIモードの月間利用者は10億人を超え、質問数も四半期ごとに倍増するペースで伸びていると紹介されています。
「25年で最大」といわれる検索ボックスの刷新
検索ボックスも、AIに合わせて作り替えられました。入力に応じてボックスが広がり、長い会話調の質問も入力しやすくなるほか、AIによる候補の提示、画像・ファイル・動画・ブラウザのタブを使った検索の入口、AIモードやGemini Liveへのショートカットが並びます。AIモードが使える国と言語を対象に、順次展開されています。
Personal Intelligence(パーソナル インテリジェンス)の拡大
ユーザーが自分で許可した場合に限り、GmailやGoogleフォトといったアプリの情報を、AIモードの回答に生かせる仕組みです。提供元の方針として、対象はほぼ200の国と地域、98言語へ広がり、有料プランへの加入は不要とされています。Googleカレンダーとの連携も予定として示されました。連携は自分で選べる仕組みなので、使うかどうかは好みに合わせて決められます。
ここまでの整理:「速いモデル」「使いやすい入力欄」「自分の情報との連携」の3点が、2026年のAIモード強化の柱です。
エージェント機能とミニアプリ
同じ発表では、調べるだけでなく行動まで手伝う「エージェント」機能も紹介されました。
- 情報エージェント:ブログ、ニュース、SNS、リアルタイムデータなどを継続的に見守り、条件に合う新しい情報が出たら知らせてくれる。物件探しや新作スニーカーの発売チェックなどが例に挙がっている
- 予約エージェント:飲食やローカルのサービスの予約を支援する。対応する事業者への電話をGoogleが代行する機能も示された
- ミニアプリ(生成UI):結婚式の準備や引っ越しの段取りなど、続けて使う作業向けに、専用のダッシュボードを検索の中で作れる
これらは夏以降に順次提供される予定と案内されており、対象の地域やプラン(Google AI ProやUltraの契約者向けから開始など)は機能ごとに異なります。日本で使えるかどうかは、利用中のアカウントの画面で確認するのが確実です。
覚えておきたいこと:提供時期・対象国・プランは段階的に変わります。「自分の画面にまだ出ていない」場合は、順次展開の途中である可能性があります。
AIモードでできること5つ
ここからは、日常や仕事でそのまま試せる使い方を5つの場面に分けて紹介します。
1. 比較検討を一気に進める
家電、ソフトウェア、サービスなど、選択肢が多いものを比べたいときに役立ちます。「在宅ワーク向けの27インチモニターを、予算3万円前後で、目に優しい機能重視で比べて」のように条件を書くと、候補の特徴が整理されて返ってきます。そこから「USB-C給電に対応しているものだけに絞って」と追加すれば、条件を積み重ねて絞り込めます。
使い方のヒント:候補が出たら、気になるものの根拠リンクを開いて公式の仕様ページで最終確認をしましょう。価格や在庫は変動するため、購入前のチェックは欠かせません。
2. 旅行や外出の計画を立てる
日程・出発地・興味のあるテーマを伝えるだけで、行程のたたき台を作れます。「雨の日でも楽しめる場所を中心に組み直して」「移動が少ない順番に並べ替えて」など、会話しながら調整できるのが強みです。地図や周辺情報とあわせて確認できるため、計画づくりの初動が早くなります。
3. 画像・音声・ファイルから調べる
AIモードは、文字入力だけでなく、カメラで撮った写真、アップロードした画像、マイクからの音声でも質問できます。外国語のメニューの写真から、ベジタリアン向けの料理を探すといった使い方が代表例です。検索ボックスの刷新により、ファイルやブラウザのタブを起点にした質問もしやすくなりました。
- 気になった植物や製品の写真を撮り、名前や特徴を尋ねる
- 資料のPDFやスクリーンショットを見せて、要点を整理してもらう
- 手がふさがっているときは、音声でそのまま質問する
4. 学習やスキルアップの調べものに使う
新しい分野を学ぶとき、「初心者が最初の1か月で押さえるべきことを順番に教えて」と聞けば、学習の道筋を作れます。用語が難しければ「中学生にも分かる言葉で言い換えて」と続けられます。理解度に合わせて説明の深さを変えられるのは、対話型ならではの良さです。図やグラフなど、視覚的な表示で理解を助ける表現にも対応が進んでいます。
5. 仕事のリサーチを効率化する
業界動向の把握、競合サービスの機能整理、専門用語の確認など、ビジネスの調べものにも向いています。さらに深い調査が必要な場合は、AIモード内の「Deep Search」や、Geminiアプリの「Deep Research」を使うと、調査計画の立案から情報収集、レポート化までを自動で進めてくれます。出典つきの長めのレポートが得られるため、下調べの時間を大きく短縮できます。
使い分けの目安:数分で答えが欲しいならAIモード、時間をかけて網羅的に調べたいならDeep SearchやDeep Research、と考えると迷いません。
AIモードを始める手順
使い始めはとてもシンプルです。
- Google検索を開く(ブラウザ、またはAndroid・iOSのGoogleアプリ)
- 検索ボックスの近くにある「AIモード」をタップ、またはクリックする
- 知りたいことを文章で入力する(音声や画像の追加も可能)
- 表示された回答を読み、追加の質問で掘り下げる
- 根拠として示されたリンクを開き、必要に応じて元の情報を確認する
Googleアカウントにログインしておくと、履歴に基づいたパーソナライズが利用できます。パーソナライズの利用には、18歳以上であることと、履歴やパーソナライズの設定が有効になっていることが条件とされています。
ポイント:アカウントの設定は、プライバシーの好みに合わせて自分で調整できます。連携するアプリも、使いたいものだけ選べば十分です。
質問の質を上げるプロンプトのコツ
AIモードは、質問の書き方によって回答の使いやすさが変わります。すぐに実践できる工夫を挙げます。
目的と前提を最初に書く
「何のために知りたいのか」「どんな状況か」を添えると、回答のずれが減ります。たとえば「ブログ運営の初心者が、週に2本更新する前提で、使いやすいAIライティング支援ツールを比べたい」のように書きます。
出力の形を指定する
「表にして」「3つに絞って」「初心者向けに」といった指定で、読みやすい形に整えられます。比較なら表形式、手順なら番号つきの手順と伝えると便利です。
追加の質問で少しずつ絞る
最初から完璧な質問を作る必要はありません。まずは大きな質問を投げ、返ってきた内容を見ながら「その中で費用が抑えられるのはどれ?」と重ねる進め方が、結果的に早く着地できます。
ミニチェック:「誰が・何のために・どんな条件で」の3点が入っていれば、まず十分な質問になっています。
安心して使うための確認ポイント
AIモードは便利ですが、他の生成AIと同じく、回答が常に完全に正確とは限りません。提供元も、初期段階の技術として複数の情報で確かめることを推奨しています。次の習慣をつけておくと、より安心して活用できます。
- 金額・日付・仕様など数字が関わる情報は、公式ページで最終確認する
- 医療・法律・お金に関わる内容は、専門家や公的な窓口の情報とあわせて判断する
- 根拠リンクが示されている場合は、少なくとも1つは開いて内容を見る
- 最新の情報が重要なテーマは、更新日や発表日を確認する
心がけ:AIモードは「答えを出す機械」ではなく、「調べものの下ごしらえをしてくれるアシスタント」と考えると、上手につきあえます。
サイト運営者・発信者にとっての注目点
AIモードの広がりは、情報を発信する側にとっても関心の高いテーマです。回答の中でウェブ上の情報が引用され、リンクとして示されるため、分かりやすく正確で、独自の視点や具体例がある情報が見つけてもらいやすい環境になっていくと考えられます。
- 質問に直接答える見出しと、結論を先に置いた構成にする
- 数字・手順・比較表など、AIが整理しやすい形で情報をまとめる
- 更新日を明記し、情報の鮮度が伝わるようにする
- 運営者や情報の根拠を、読者に分かりやすく示す
読者の疑問に丁寧に答えるという基本は、従来の検索でもAIモードでも変わりません。読者にとって役立つ情報を、分かりやすく届けることが、これからも大切な土台になります。
ひと言メモ:AIモードでの見え方を知るには、自分の扱うテーマで実際に質問してみるのが近道です。読者がどんな聞き方をするのか、ヒントが見つかります。
これからのAIモードで期待されること
今回の一連の発表から見えるのは、検索が「探す」から「任せる」へ広がっていく流れです。ひとつは、入力の自由度が上がること。長い文章、画像、ファイル、音声がそのまま質問になります。もうひとつは、Gmailやカレンダーなどの情報と結びつくことで、自分の状況に合った答えが得られやすくなること。さらに、エージェントやミニアプリにより、調べた後の行動までをひとつの場所で進められるようになることです。
すべての機能がすぐに日本でも同じように使えるわけではありませんが、AIモード自体は日本語で使えます。まずは日常の小さな調べものから試し、従来の検索やGeminiアプリと組み合わせることで、自分なりの使いどころが見えてくるはずです。
まとめ
Google検索のAIモードは、複雑な質問を分解して同時に調べ、会話を通じて理解を深められる対話型の検索機能です。2026年にはGemini 3.5 Flashへの更新、検索ボックスの刷新、Personal Intelligenceの拡大、エージェント機能の発表など、使い勝手と守備範囲が大きく広がりました。比較検討、旅行計画、画像や音声での質問、学習、仕事のリサーチという5つの場面で、調べものの時間を短縮できます。
Google検索のAIモードの使い方|できること5つと活用のコツをまとめました
AIモードは、検索ボックスの近くにある「AIモード」から誰でも始められます。条件をまとめて書き、追加の質問で絞り込み、重要な情報は公式ページで確認する、という3点を意識するだけで活用の幅が広がります。素早く知りたいときは通常の検索やAI Overviews、深く調べたいときはAIモードやDeep Search、創作や文章づくりはGeminiアプリ、と役割を分けて、日々の情報収集にぜひ取り入れてみてください。
2026年9月24日時点の情報をもとにしています。提供状況や機能は変更される場合があります。最新の内容はGoogleの公式ページでご確認ください。



















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